韓国の評論雑誌『緑色評論』の発行者であり、気鋭の評論家である金鐘哲さんが、入院先のセブランス病院で6月25日に永眠されたという訃報を受けました。
広島の方達はご承知のように、2018年の「8・6ヒロシマ平和へのつどい」では金さんに講演をしていただき、日韓両国市民が、いかに安保論理を打破し平和共生の道に向かって進んでいくべきかについて、示唆に富むお話をしていただきました。私が最も感激した金鐘哲さんの言葉は、2018年1月に送っていただいた<「少女像」があるべきところ>と題した論評の中の下記の言葉でした。
「慰安婦問題」というのは国家権力が何の罪もない女性たちを強制的かつ組織的に動員し、戦場の「性奴隷」とし、その女性たちの一度だけの生涯を徹底的に踏みにじった、
極端な反人倫的蛮行に関わる問題である。したがってこれは被害当事者だけではなく、この世を人間として生きていくためにも必ず解決していかねばならぬ、我々皆の問題だといっても良い。人間らしく生きるための共同体が成立するには物理的な土台だけでは不十分なのだ。それより根本的なのは共同体の道徳的・倫理的土台である。
…… これは日韓の間の単なる外交問題でもなければ、謂わば国益に関わる問題でもない。これは韓国人、中国人、日本人を問わず人間らしく生きることが如何なるものであるかについて思考する能力を持つ全ての人間の共通の関心事でなければならない。(強調:引用者)
まだ73歳というお歳だったので、もっともっとご活躍していただけるものと期待していました。残念でなりません。日本にとって、日本市民にとってひじょうに貴重な韓国の同志の一人を私たちは失いました。ご冥福を祈ります。
合掌
下記はこのブログに寄稿していただいた金鐘哲さんの評論です。熟読していただき、今後の活動に活かしていただければ、ご本人に対する最大の哀悼の意の表明になると信じます。
韓国の「ロウソク革命」の中にいて
安保論理を超えて平和共生の道へ
「8・6ヒロシマ平和へのつどい2018」講演を終えて
「少女像」があるべきところ
http://yjtanaka.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
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