オンライン集会
2022年12月11日(日曜)19:00〜21:30
参加費:1000円(学生・障がい者無料 言語:日本語・英語<通訳あり>)
場所:ZOOMウェビナー(録画配信あり)
2020年9月28日ベルリン・ミッテ区に「平和の像」が市民団体の努力によって設置されました。日本政府は直ちにドイツ政府に撤去の圧力を加え、意向を受けたミッテ区長が撤去命令を発するや、即刻、ベルリン市民や進歩的諸政党が設置継続の活動を始め、撤去を阻止することができました。さらに、その後も続く日本政府や日韓の右派勢力からの圧力に加え、今年4月には岸田首相がドイツのショルツ首相に像の撤去を要請したにも関わらず、11月9日ミッテ区は像の設置を引き続き2年間延長する事を決めました。今回、この「平和の像」がドイツ国内や世界に及ぼした議論と影響をベルリンからお届けします。
講演1 〜ベルリン・ミッテ区モアビット〜 地元市民が受け入れた「平和の像
梶村道子さん
1975年以来ベルリン在住。1992年にベルリン女の会と韓国女性グループとともに「慰安婦」問題に取り組んで現在に至る。ベルリン・ミッテ区の「平和の像」設置を、ミッテ区住人として傍でみてきた。共訳著にクリスタ・パウル著『ナチズムと強制売春。強制収容所特別棟の女性たち』(明石書店、1996)
講演概要
ベルリン市ミッテ区モアビットに設置された「平和の像」は、日本政府の執拗な介入にも関わらず、2年が過ぎた今も健在だ。設置認可当局のミッテ区が、日本大使館やベルリン州政府の圧力に屈して即刻撤去命令を出したことが、当事者のコリア協議会はもとより、地元市民の怒りを招き、メディアの関心を惹いた。コリア協議会は短期間に3000筆もの抗議署名を集め、区議会は撤去命令の2ヶ月後に、像の恒久設置決議を採択した。こうして拡がったミッテ区行政への抗議とコリア協議会への支援は今も続いている。その背景にある、コリア協議会の青少年を対象に続けて来た性暴力に関する地道な活動、そして記憶する文化を実践してきた受け入れ側のモアビット地区の特性を、像の設置前から現在までの地元での動きを通して報告する。
講演2〜幾つもの意味を持つ一つの像〜
レギーナ・ミュールホイザーさん
ハンブルク文化振興財団上級研究員、国際研究グループ「武力紛争時における性暴力」のコーディネーターを務める。著書に『戦場の性:独ソ戦下のドイツ兵と女性たち』(岩波書店 2015)、『Sex and the Nazi Soldier: Violent, commercial and consensual encounters during the war in the Soviet Union, 1941-45』(Edinburgh UP 2021)共編著に『In Plain Sight: Sexual Violence in Armed Conflict 』(Zubaan, New Delhi, 2019)
講演概要
現在、ドイツでの「平和の像」をめぐる論争は、主にベルリンの少女像に焦点が当てられている。しかし、ラーベンスブリュック女子強制収容所記念館をはじめ、ドイツの他の多くの場所で、この像の異なるバージョンが一時的に展示されていたし、現在も展示されている。この像が公開されるたびに、フェミニストの講演者たちは、第二次世界大戦中のドイツ国防軍とナチス親衛隊による性的暴力の歴史に注意を喚起してきた。こうした講演者たちは、トルコの刑務所におけるクルド人女性への性的拷問や、ウクライナにおけるロシア兵によるレイプなど、現在の事態にも触れている。しかし、日本政府や右翼団体は、この像が日本を誹謗中傷するためのものだと主張し続けている。また、ドイツ国民の多くは、像をめぐる対立を「どうせ理解できない」日韓の争いと認識している。レギーナ・ミュールホイザーは今回の講演で、ドイツのさまざまな視点を紹介し、この議論とその結果や影響をどのように理解したらよいかを問いかけます。
■オンライン・ZOOMウェビナ― ※録画配信あります。
■参加費:1000円 (学生・障がい者無料)
■申し込み: https://forms.gle/aVLP3HcXxBSH5uZf8
■申し込み締め切り:12月6日(火)24時
※入金方法など詳細は申込後にお知らせします。
主催:日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワーク
共同代表:足立修一・田中利幸・土井桂子 _
連絡先:090-3632-1410(土井) E-mail:ianfnet.hiroshima@gmail.com