2024年4月12日金曜日

第二次世界大戦はいかにして現在も太平洋で大破壊を引き起こしているのか?

ABC TV 番組紹介

How World War II is still wreaking havoc in the Pacific

 

昨晩、オーストラリアの公共放送ABCTV報道番組「Foreign Correspondent (海外特派員)」で、非常にショッキングな報告が放送されました。

19428月から432月の約7ヶ月間、ソロモン諸島のガダルカナル近海とガダルカナル島で展開された日本軍と連合軍(主として米軍)の激戦では、上陸した日本軍兵士31,400名のうち20,860名が死亡。このうちの15千名ほどが餓死またはマラリヤなどによる病死者でした。連合軍側の死亡者は約7,100名。

昨晩のTV報道によると、ガダルカナル近海には大小様々な約200隻の船と690機あまりの飛行機が沈んでおり、この80年の間にとりわけ船の燃料タンクが錆で腐食し、徐々に油が流れ出て海を汚染し続けているとのこと。しかしいまだに大量の石油が多くの船の燃料タンクに残っており、近い将来、大型船舶の燃料タンクが腐食しきって石油が流れ出すならば、ソロモン諸島の海は取り返しのつかない大々的な海洋汚染に見舞われる危険があるとのことです。またガダルカナル島の陸地のあちこちには、長年の不発弾処理にも関わらず、いまだに、おそらく数十万発にのぼる数の不発弾が散乱しており、爆発事故での死傷者が耐えないとのこと。にもかかわらす、日本政府も米国政府もガダルカナルのこうした状況には全く無関心という、無責任極まりない態度を取り続けています。

太平洋戦争では、ソロモン諸島だけではなく、19426月のミッドウェー海戦や19446月のマリアナ沖海戦、同年10月のレイテ海戦など、3年半以上にわたって太平洋各地で様々な大規模な海戦を行い、その結果、大型空母を含む無数の戦艦、輸送船、戦闘機などが太平洋各地に沈没しています。こうした沈没船や飛行機から流出している大量の石油が、80年という長い年月を経ても、いまだに深刻な海洋汚染の危機をもたらしているのです。(太平洋の歴史的経緯ついては、当ブログ「15年戦争史概観V」を参照されたし:http://yjtanaka.blogspot.com/2018/06/v.html )

ところが、日米両国首脳は、ワシントンでの大晩餐会で浮かれているだけではなく、再度、太平洋の広域を大戦場にする危険性を拡大させているのが現状です。これまで長年にわたって世界各地で行われ今も各地で続いている戦争で、ジェット戦闘機、爆撃機、戦車、戦艦などの機動のために大量の石油を消費し、爆撃、砲撃、ミサイル発射などでも、大量のCO2を発生させています。こうした世界各国の軍が産み出すCO2が、地球温暖化の一つの大きな原因であると私は考えますが、なぜか、環境保護運動に携わっている多くの諸市民団体が、この問題に無頓着のように思えます。

 残念ながら、このTV番組の音声を全て日本語に翻訳している時間的な余裕が、今の私にはありません。下記にABCの英語による短い番組解説の和訳を載せておきますので、参考にしていただき、ぜひ映像をご覧になってください。解説の下に、番組ビデオにリンクするURLを載せてありますので、そこをクリックしてください。映像を観ていただくだけでも、いかに戦争が長年にわたって、人間と自然環境に深刻な破壊をもたらすかを実感していただけると思います。現在猛烈な破壊が進行中のガザ地区も、爆撃が停止されても、今後長年にわたって、その凄まじい影響が及び続けることは間違いないと思います。

 

A B Cによる番組解説

今から80年以上前の1940年代に、第2次世界大戦は太平洋全域で激しさを増し、連合軍と日本軍の間で熾烈な戦いが繰り広げられた。

最も重要な出来事のひとつはソロモン諸島のガダルカナルで、日本軍の太平洋進出を連合国が阻止し、約3万人の命が失われた。

それから80年余り、この戦いの致命的に危険な遺物処理は現在も続いている。今週の「海外特派員報告」では、レポーターのステファニー・マーチが、太平洋戦争の深刻な影響をいまだに受けているソロモン諸島の人々にインタヴューを行う。

2011年以来、約5万個の不発弾が発見されている。

爆弾やその他の弾薬の爆発事故は死傷者を出し、生存者はほとんど支援を受けられずに自力で闘うしかない。

島々を囲む海には、戦争で腐食した難破船が何百隻も沈んでおり、時限爆弾と表現する人もいるほどだ。錆びついた難破船のひとつから石油が流出すれば、大惨事になりかねない。

ソロモン諸島の人々は、自分たちの土地で戦争を戦った者たちが、自分たちが残した汚染物を一掃するためにもっと努力すべきだと信じている。

ある現地の人は言う: 「戦争が終わったとき、アメリカ軍、日本軍、連合軍は平和のうちに故郷に帰った。ここソロモン諸島が安全になるまで、私たちはまだ平和を手にしていないのです」。

 

https://www.abc.net.au/news/2024-04-11/how-world-war-ii-is-still-wreaking-havoc-in-pacific/103698278

 

 

最後に、マイケル・ルーニックの「間違った惑星」と題された、最近の詩と漫画を紹介しておきます。

 

 「間違った惑星」

 

またしても彼は、間違った惑星で目覚めた

 

狂った人間が、空から大量の爆弾を地上の罪のない母親と子どもたちの上に落とす惑星

 

この残酷な腐敗に、市民はショックと憤りと悲しみで気分が悪くなる惑星

 

政治的な狡猾さ、残酷な権力、醜い富を前にして、市民が絶望を感じている悲しい惑星

 

庶民の心に憎しみと破壊が眠る惑星

 

愛と正義、それに心を癒す美しさが、悪に満ちた同じ心の中に眠っている失われた惑星


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