何のための被爆体験継承か?
– 「過去の克服」としての記憶の継承を考える –
「さよなら講演」(2015年2月21日)のための講演ノート
2月21日に広島アステールプラザで開かせていただいた「さよなら講演」のために準備した講演ノートが、3月16日発売の『広島ジャーナリスト』20号に掲載されます。下記アドレスからそのPDF版をダウンロードできるようにしました。拡散していただければ光栄です。
すでに30年ほども前から「被爆体験の風化」という危機感から「被爆体験の継承」が言われはじめましたが、原爆無差別大量殺戮70周年目を前に、この問題は今や切実な現実性をおびて私たちに迫りつつあります。いかに悲惨な人間体験であろうとも、その記憶は時間とともに薄れ消滅していくことは避けられません。ある特定の体験記憶が継承されるためには、その体験が内包する「精神」が普遍化され、時代と場所を超えて多くの人たちに共有されなければなりません。そのような「広島精神の普遍化」は果たして可能なのでしょうか?可能であるならば、いったいどのようにすれば可能なのでしょうか?このひじょうに難しい問題を考えるために、ドイツの「過去の克服」から学ぶことはできないか、という考えから講演ノートを準備しました。
ドイツのメルケル首相が訪日して、ドイツの「過去の克服」に関する彼女の発言が日本のメディアでも報道されています。このドイツ首相の訪日が、私たち日本の市民にとっても、自分たちがいかに「過去の克服」に向けて運動をすすめていくことができるかを真剣に考える機会となればと強く願います。
講演ノート
ちなみに、実際の講演ではコンピューター作動の不備から、講演内容と関連するユーチューブをお見せすることができませんでしたので、そのアドレスを下記に貼り付けました。また時間の制限から、講演中のパワーポイントでお見せできた写真の数にも限界がありましたので、もう少し、写真が見れるように関連情報サイトのアドレスも貼り付けておきました。講演ノートを読みながら参考にしていただければ幸いです。
箏曲「六段の調べ」
グレゴリアン聖歌「クレド III」
黒澤明監督『夢』の中のエピソード「トンネル」
ゴヤとピカソの絵の関連性についての解説(英文の一例)
下記情報もすべて英文ですが:
ケーテ・コルヴィッツの作品の紹介
エルンスト・バルラハの作品紹介
インゲ・ノイフェルト(キング)の紹介
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