要するに、広島平和研究所は、安倍政権に「服従する」、つまり安倍政権を「支持する」研究所に堕落してしまったということを、この記事は意味しています
(「服従」と「支持」の関係については、このブログの「『罪』と『責任』:ハンナ・アレントに学ぶ『戦争責任』の解釈」を参照されたし)。
恥を知るということを知らない安倍政権の下では、大学を含む日本社会のいろいろなところで、恥を知るということ知らない輩がのさばるようになってきました。
日本は、広島は、本当に恐ろしい事態になっていますね。救いがたい日本の知的荒廃は、現在の首相と閣僚たちの言動からも明白ですが、大学にもすでに現れています。広島平和研究所の状況は、その一証左です。
情けないのは、研究所や大学当局による若手の優秀な研究員に対するアカハラ的な処遇に対し、他の研究員のほとんど(私が知る限り1人だけを除いて)全員が反
対意見の声を全くあげないということ。政治的にある人間に「服従」することは本質的にはその人間を「支持」することであるという、ハンナ・アレントの言葉の重みを痛感する次第です。
(2016年2月28日更新)
以下は、私が最も尊敬する日本の評論家/活動家であるMさんとのこの数日の間のメール交信のうち、関係する部分だけを抜粋したものです。ご参考まで。
田中さん
広島平和研、ひどいですね。しかしこれが特別なケースでなくなってきていることが怖いです。
Mさん
中国新聞記事の中で紹介されている「3月末で任期が切れる35歳の講師」とは、一度、Mさんにもご紹介したKさんのことです。「契約講師は5年が過ぎたら無期限雇用に切り替えるべし」という新法律を逆手にとって5年前に辞めさせるということが、どこの大学でもいま
頻 繁におきているようですが、これも安倍政権の虚妄政策の現れですね。出来の悪い三流学者が、優秀な若手の研究者へのアカハラとして辞めさせるという状況。
本当に、日本はもう立ち直れないくらいひどい状況になってきているのでしょうか。一旦、社会が崩れだすと、急速に崩壊の速度が速まり、全体が崩壊してしま
うという、その典型的な状況に日本は今あるのだろうと思います。これをなんとか押し止め、建て直すのは、容易ではないですね。
田中さん
昨日J. G.(アメリカの市民活動家:田中による説明)とこれも久しぶり合いましたが、Trumpがjokeでなくなったアメリカはほんとうにどこにいくのか。Michael Klareという左翼軍事分析家 – これも70年代からの仲間 - は、現状を第一次大戦前とのアナロジーで見ていると彼は言っていました。なにやら途方もない状況に突入したみたいです。社会崩壊の感覚はぼくも持っていて、今回の本の後書きに、それについて触れました。参考までにお送りします。感想きかせてください。
Mさん
Trumpと安倍という米日コンビはまさかの悪い冗談と考えていましたが、そのまさかの悪夢が全く不可能でもない状況になってきて、本当に恐ろしくなってきました。ご論考、読ませていただきます。
(2016年2月29日更新)
ご無沙汰してます。お元気でいらっしゃるようですね。
返信削除この問題、田中先生が心配されててうれしいです。
ヒロシマ平和映画祭でも、実行委のお一人でもあった
Tさんがひどい目にあい、またKさんも先日の映画祭に出てくださり
その実情を間近にお聞きしました。
http://hpff2015.webcrow.jp/index.html
本当になんていうことでしょうか?
こんな状況になった平和研、広島においてほしくないぐらいです。
軍都広島研究所に名前をかえたらどうなんでしょうかね。
実行委のHくんもかなり切れまくっております。
お世話になります。あんなに有能で可憐な先生を切るなんてほんとうに許せません。何かありましたら進んでお手伝い申しあげます。
返信削除