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2024年9月24日火曜日

オンライン ZOOM ウェビナー

「平和の碑」が広げつなぐメッセージ 女性の尊厳と人権 

~メルボルンとベルリンを結んで~

 

メルボルンの「平和の碑」

 

 

 

ベルリンの「平和の碑」
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日時:

2024/10/26(土) 17001930(日本) 10001230(独) 19002130(豪)

 

199218日、日本軍「慰安婦」問題解決のための水曜デモが、ここ日本大使館前ではじまった。20111214日、1000回を迎えるにあたり、その崇高な精神と歴史を引き継ぐため、ここに「平和の碑」を建立する】 (ソウル在韓日本大使館前に設置された「平和の碑」碑文より)

現在「平和の碑」は韓国内146個、韓国以外33個(正義連2023活動報告書より)に広がっている。設置の目的にはその地の市民や学生の女性の人権と尊厳、平和への願いなどさまざまな思いが込められている。日本政府が外務省の在外公館活動として、「平和の碑」設置が分かると、妨害と撤去の圧力を管轄の行政機関にかけることを世界各地で展開している。しかし、世界の市民は、日本軍性奴隷制問題をなかったことにさせない、サバイバーが願った戦争と暴力のない社会の実現をめざし、世界的に連帯し活動している。今回、オーストラリア・メルボルンでの碑設置までとその後の「メルボルン『慰安婦』友の会FCWM」の活動、ベルリン・ミッテ区での設置存続を巡る活動を現地から報告していただき、「平和の碑」が広げつなぐメッセージを共有したいと企画した。私たちは決して黙らない。日本軍性奴隷制の歴史事実の抹殺に抗し、記憶し続けるために声を上げる。

 

講演タイトルと講演者:

 

~メルボルン「平和の碑」が訴えるメッセージ~

《メルボルン》 クリスティーン・キムさん

メルボルンで「慰安婦」問題をめぐって、2016年に結成した平和、教育、正義を推進する人権団体「メルボルン『慰安婦』友の会 _FCWM」の事務局長。 モナシュ大学顧問弁護士、法学博士

 

~「アリはミッテ区の一部だ!」 干渉を許さない住民たちの抵抗~

《ベルリン》 梶村道子さん

1975年以来ベルリン在住。1992年にベルリン女の会と韓国女性グループとともに「慰安婦」問題に取り組んで現在に至る。ベルリン・ミッテ区の「平和の像」設置を、ミッテ区住人として傍でみてきた。共訳著にクリスタ・パウル著『ナチズムと強制売春。強制収容所特別棟の女性たち』(明石書店、1996

 

ベルリンミッテ区の碑設置から2024/9.19までの経緯

2020.9.28設置 区は1年間の設置許可

10.7 区が認可取り消し1週間以内の撤去命令

区の進歩的3政党、コリア協議会、市民組織・個人が区に抗議

11.5 区議会が碑の設置支持宣言採択

12.1 区議会が碑の恒久設置要求決議

2022.11 新区長が、2年の認可延長を表明

2022.5.11 岸田首相、来日したショルツ首相に撤去要請

2024.5.16 カイ・ベーグナーベルリン市長、上川外相と会談

2024.7.19 区長がコリア協議会に9.28までに撤去しなければ過料を課すと告げる

コリア協議会、設置存続を求める署名や要請に取り組む

9.19 区議会は像の設置継続を求める動議を賛成多数で採択

 

オンライン・ZOOMウェビナ― ※録画配信あります。

参加費:1000 _(学生・障がい者無料) 言語:日本語・英語

申し込みフォーム:https://forms.gle/bPSwPEwiNGEBXuU37

申し込み締め切り:1022日(火)24

入金方法など詳細は申込後にお知らせします。

 

主催:

日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワーク 共同代表:足立修一・田中利幸・土井桂子

連絡先:090-3632-1410(土井) E-mailianfnet.hiroshima@gmail.com

 


2024年9月16日月曜日

「マルタ」と「ロームシャ」を鎮魂する 詩

 そのほか2つの案内

今月6日〜8日にドイツのベルリン自由大学で開催された Japanese Military Violence During the Asia-Pacific War (アジア・太平洋戦争期の日本軍暴力)と題された国際学会に招かれて講演を行いました。定年退職して10年近く経ち、もっぱら現役の大学教員が出席する国際学会に出席することが私にはほとんどなくなったため、本当に久しぶりの学会出席でした。そのため、老齢歴史家として恥ずかしくないような内容の講演となるよう、いつもよりかなり周到な準備をして講義ノートを作成しました。予想した通り、参加者の中で私が最高齢か2番目に高齢でした。私のような高齢者(自分では決して高齢者とは思っておらず、まだまだ若いつもりなのですが<苦笑>)をよく招待してくれたと、たいへん光栄に思いました。

 

しかし全部で20人ほどの研究発表者(ほとんどが欧米、イスラエルと豪州の大学教員で、アジア人はほんの数名)の発表内容を聴いて、正直、私はがっかりしました。一言でいえば、研究内容が非常に劣化しているという印象でした。批判的分析が非常に少なく、単なる事実の浅薄な紹介・解説に終わっているのがほとんどです。なぜこうなるのか ― その重大な理由の一つは、おそらく、彼/彼女たちの研究目的からは、軍暴力の被害者の「痛み」をどのように且ついかに深く理解し、「痛み」を与えた者にいかなる「責任」があり、その「責任」をいかに追求するか、ということがスッポリと抜け落ちているからだろうと思います。したがって、研究発表を聴いていても、無味乾燥で、全く私の心に響いてこないのです。戦争暴力・戦争犯罪の研究が、なぜこんな状況になってしまったのでしょうか……

 

この学会の内容について、詳しくは後日、このブログで報告しますが、今回は3つほど情報の紹介です。まず1つ目は、その日本の戦争犯罪の代表的なケースである、731部隊による人体実験のマルタと呼ばれた被害者と、インドネシアのロームシャ(労務者=強制労働の被害者)をテーマにした絵画と詩、音楽の見事な共演を企画し演じられた、私の研究上の大先輩である、慶應大学名誉教授の松村高夫氏の Youtube を紹介いたします。「ロームシャ」はとくに、日本軍の混合予防ワクチンの人体実験の被害者となったインドネシア人ロームシャを取り上げています。

 

1)「マルタ」と「ロームシャ」を鎮魂する 詩

Requiem for Maruta and Romusha Reading.

https://youtu.be/N15IAb2fmvg

英語のサブタイトルが付けられていますので、海外の視聴者にも情報拡散ができます。

 

(混合予防ワクチンの人体実験の被害者となったロームシャについては、http://yjtanaka.blogspot.com/2021/08/blog-post.html もご参照ください)

 

 

2)Hihukusho ラジオ 第100回(トーク「広島を斬る!」:宮崎園子/ フリージャーナリスト×田中利幸/ 歴史評論家) 2024830

https://www.youtube.com/watch?v=upqZxEWqU3I&t=2780s

 

このラジオ番組は2020年6月から、広島市内にある旧陸軍被服支廠の建物をいかに広島の反核・反戦・平和運動に活用すべきかを議論する場として、広島文学資料保全の会・代表の土屋時子さんが始められたものです。土屋さんの広島を変革したいという熱い想いで続けられてきたこの番組は、今年8月末で100回目の放送となりました。広島には住んでいない私のような者が、広島の現状にひじょうに詳しいジャーナリストの宮崎さんから一方的に質問を受けるというおかしなインタビューになってしまいました。本当は、私の方が宮崎さんに訊きたいことがたくさんあったのですが……。ドイツへの出張を控えてあわただしくしていたため、たいへん恥ずかしながら準備不足で、実にたどたどしい受け答えとなっています、なにとぞご寛容のほど。

 

3)講演案内

この講演は「念仏者九条の会」と「非戦平和を願う真宗門徒の会」の日本全国20ヶ所の寺院をZOOMでつないで行われるようですが、一般の市民の方たちのオンライン参加も受け付けられているとのことです。詳細は下記の案内書をご覧ください。

今、念仏者として、憲法九条をどう伝えるか

〜拮抗する「戦後国家の三原則」の急速なバランスの崩れの中で〜

 

20241021() 13:3016:15

 

* 基調講演

テーマ自滅の闇穴に陥没しつつある日本の変革は可能か?

―「過去の克服」を失敗に終わらせた「戦後国家三原理」の矛盾から考える ―

 

*講師 田中利幸さん

 

※田中利幸さんにはZOOMで講演頂きます

略歴  田中利幸さん  歴史学者(専攻は戦争犯罪史、戦争史)

広島市立大学など国内外の多数の大学に教授として在籍。

日本語の著書に『検証「戦後民主主義」 わたしたちはなぜ戦争責任問題を解決できないのか』(三一書房)、『空の戦争史』(講談社現代新書)、『知られざる戦争犯罪』(大月書店)、共著に『原発とヒロシマ「原子力平和利用の真相」』 (岩波ブックレット)。編著に『戦争犯罪の構造』(大月書店)、共編著に『再論 東京裁判』(大月書店)。翻訳書にジョン・ダワー著 『アメリカ 暴力の世紀: 第二次大戦以降の戦争とテロ』(岩波書店)、ハワード・ジン著『テロリズムと戦争』(大月書店)などがある。

 

*問題提起

*テーマ  今の本願寺教団は再び戦争協力という過ちを犯さないか?

-国家、親鸞思想、門主制という「本願寺教団の論理」から考える-

*提案者  小武正教 浄土真宗本願寺派 西善寺住職

 

今日本は、何によって動かされ、何処にいこうとしているのか。戦後日本を動かしてきたのは、「アメリカのグローバル覇権主義」「憲法の非武装平和・民主・人権原理」「戦前の日本帝国を継承する原理」という「三原則」であり、今そのバランスが崩れ、日本の国の形は大きく変わろうとしている。それは一言でいえば「戦争する国」になるということである。そして本願寺教団もそれに呼応・先取りするかのように、組織の在り方を変えてきているように思われる。私たち本願寺教団が、再び「戦争協力」という過ちをおかさないために、今何を見据えて、何をどう伝えていくべきなのか共に考える場になればと思います。

 

*参加協力  500

オンライン(ZOOM) 必ずメールで申し込みをお願いします(事務局からの返信にて受付とします)

念仏者九条の会事務局  小武正教 odake@orange.ocn.ne.jp :080-5233-3429

主催  念仏者九条の会  非戦平和を願う真宗門徒の会